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ASML、2030年納入の装置注文に顧客の関心示す

ASMLは第3四半期の利益が市場予想を上回ったと公表し、一部顧客が2029年と2030年の納入分について注文に関心を示していると説明した。

nullbot 編集部公開日 2026年10月14日約 6 分で読めます出典 (2)
フェルトホーフェンにあるASML本社複合施設
A ansems · Public domain · Wikimedia Commons

第3四半期は利益が予想を上回る

ASMLの2026年第3四半期決算は、人工知能向け投資が半導体製造装置の需要をどこまで長期化させるかを測る材料となった。同社の第3四半期の純売上高は116億6000万ユーロ、純利益は49億6000万ユーロだった。CNBCがLSEGの市場予想として伝えた数値は、純売上高117億2000万ユーロ、純利益41億ユーロである。

売上高はこの市場予想をわずかに下回った一方、利益は大きく上回った。TechNewsは、同社の第3四半期売上高が前四半期比25%増で過去最高となり、純利益は同70%増だったと報じた。これらは会社が公表した業績に基づく数値であり、装置の納入、能力増強の実行、AI関連投資による需要環境を反映している。

2030年まで視野に入る顧客の関心

今回の発表で投資家の注目を集めたのは、より先の需要についての説明だった。ASMLの最高経営責任者Christophe Fouquetは、顧客が短期および中期の装置需要見通しを引き上げ続けていると述べた。その背景には、AI関連投資の規模と継続期間に関する顧客側の見方があるという。

Fouquetによると、その需要の見通しを踏まえ、一部顧客は2029年、さらに2030年に納入される装置についてASMLへ注文することに関心を示している。会社は顧客名を明らかにしておらず、注文規模、価格、前受金、納入台数も公表していない。この説明は、一部顧客の関心表明であって、すべてが確定契約になったという意味でも、将来の売上が保証されたという意味でもない。

この発言が重要なのは、ASMLの露光装置が先端半導体の製造工程で重要な位置を占めるためだ。ASMLは、極端紫外線露光装置、すなわちEUV装置を生産する世界唯一の企業である。EUV装置はTSMCなどが最先端半導体を製造する際に使う。こうした位置付けから、投資家はASMLの決算をAI向け半導体需要の兆候として注視している。

2027年から2028年にかけての供給制約

ASMLは、現在計画している2027年および2028年の供給量では顧客需要を完全には満たせないとの見方を示した。同社は、従来見込んでいた30%の増加を超えて2028年の生産能力を引き上げる方法を検討している。もっとも、新たな能力目標、追加投資額、実施時期、追加可能な装置数は発表していない。

会社が示した論点は、注文が増える可能性だけではない。極めて複雑な露光装置では、製造、試験、部品供給網の調整、納入のすべてが制約になり得る。ASMLによる強い需要の判断は、顧客自身が示す装置需要予測に基づくものであり、AI投資の成果が独立して確定したことや、将来の納入が必ず実現することを意味しない。

同四半期には、SamsungとTSMCがASMLのHigh NA EUV装置を使用することを約束した。High NA EUVはASMLの次世代EUVシステムで、アナリストは同社の将来の成長に重要だとみている。両社の約束は主要な半導体メーカーからの技術的支持を示すが、記事は導入速度、購入台数、売上寄与の詳細を伝えていない。

納入、利益率、資金の状況

TechNewsによると、ASMLの第3四半期の粗利益は67億ユーロで、前四半期比33.1%増だった。粗利益率は第2四半期の54%から57.5%へ上昇した。基本的1株当たり利益は7.59ユーロから12.95ユーロに増えた。同メディアは、Installed Base Managementの収入が32億8900万ユーロとなり、前四半期比19.1%増で、利益率を押し上げる要因の一つになったと報じている。

装置の納入面では、新品露光装置の販売台数は第2四半期の86台から第3四半期には113台へ増加した。中古露光装置の販売台数は5台から8台となった。TechNewsは、四半期末の現金および短期投資が127億3500万ユーロで、第2四半期末の75億8200万ユーロから増えたとも報じた。

今回示された主な指標は次の通りである。

  • 純売上高は116億6000万ユーロ。
  • 純利益は49億6000万ユーロ。
  • 粗利益率は57.5%で、TechNewsが報じた。
  • 新品露光装置の販売台数は113台。
  • 一部顧客が2029年から2030年の注文に関心を示した。

2026年の見通しを引き上げ

ASMLは2026年通年の売上高見通しの下限を引き上げ、予想レンジを狭めた。現在は純売上高を440億ユーロから450億ユーロと見込む。従来の見通しでは下限が430億ユーロだった。第4四半期については、純売上高を142億ユーロから152億ユーロと予想する。CNBCによると、レンジ上限はLSEGのコンセンサスである142億ユーロを上回る。

TechNewsは、第4四半期の粗利益率をおよそ57%、通年の粗利益率をおよそ56%と同社が予想していると伝えた。これらは会社の予測であり、製造、納入、需要などの条件に左右される。CNBCによれば、ASML株は年初来で56%上昇しており、市場にはすでにAIによる装置需要への期待が織り込まれている面がある。

中国事業と競争環境

ASMLは、中国向け売上高が全事業の20%を占めるとの従来予想を維持した。同社は中国にEUV装置と一部のDUV装置を販売することについて制限を受けている。DUV装置はEUV装置ほど先端的ではないが、ASMLはDUV装置の製造でも優位にある。

CNBCは、The Informationが7月に、名前が明かされていない中国企業が液浸DUV露光装置の製造を始めたと報じたことに触れた。この情報は事情を知る関係者に基づく報道であり、ASMLが確認したものではない。CNBCが伝えたアナリストは、中国が自前のDUV技術を急速に拡大できるかについて疑問を示した。

日本の企業、半導体供給網の参加者、データセンター運営者、チップに依存する組織にとって、この発表が直ちに国内の装置供給を変えるわけではない。ただし、先端半導体の世界的な供給能力とAI基盤への投資時期は、専門的な露光装置の供給と生産枠に引き続き左右され得る。ASMLは、その計画が一部顧客では2030年まで及び始めていると説明している。

出典

  1. ASML says it's getting order interest through 2030 as profit smashes expectationsCNBC Technology · 2026年10月14日
  2. AI 強勁需求推升 ASML 第三季營收獲利創新高,全年營收展望上調科技新報 (TechNews) · 2026年10月14日

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