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AI利用の応募と面接が増加、採用側は確認手法を見直す

英国で、AIによる応募書類の補助や面接中の回答支援が増えていると報じられた。採用担当者は、許容される準備と無断利用を分けるため、規則と評価方法を見直している。

nullbot 編集部公開日 2026年10月14日約 6 分で読めます出典 (2)
紙の求人応募書類を確認する採用担当者
Ann Rosener · Public domain · Wikimedia Commons

応募の効率化と確認の負担

人工知能は、履歴書、応募書類、面接準備の進め方を変えつつある。文章の推敲、職務に合うキーワードの抽出、想定質問の作成、回答案の整理を行うツールは、求職者が短期間に多くの求人へ応募する助けになる。とりわけ競争の激しい新卒・既卒者向け採用では、その利便性が大きい。一方、英国の雇用主や採用関係者は、ビデオ面接やオンライン試験で、申告のないリアルタイムAI支援が増えていると報告している。

英国の卒業生雇用主を代表するInstitute of Student Employers(ISE)の調査は、この緊張関係を示す。同団体が今夏、英国の大手卒業生雇用主155社を対象に実施した調査では、92%が選考・評価の過程でAIに関係する不適切行為を確認した、または疑ったと回答した。前年は85%だった。ISEは同時に、AI利用を認めるかどうかは、採用の段階と各組織が事前に示す規則によって異なるとしている。

文書作成の補助と不正な代行

一部の求職者にとって、AIは長く反復的で、返答すら得られないことのある就職活動を乗り切る補助手段になっている。BBCは、地理学を専攻した22歳のTomの例を伝えた。彼はレストランマネジャーの職を得るまでに200件を超える応募を行ったという。履歴書やカバーレターの整理、初期選考システムが拾う可能性のあるキーワード探しにはAIを使ったが、試験や面接には使わなかったと説明している。

ISEの調査では、このような文章作成支援は雇用主が比較的受け入れやすい用途だった。最も認められやすいのはカバーレターや履歴書の作成支援で、次がオンライン応募フォームの質問への回答だった。重要なのは、ツールが候補者の実際の経験を分かりやすく表現する助けになっているのか、それとも本人の能力を測るべき場面で本人に代わって答えているのか、という違いである。

問題は、AIが大量の応募を同時に作ることも可能にする点にある。業界では、この広く応募して少数の反応を期待する行為をspray and prayと呼ぶ。ISEのStephen Isherwoodは、すでに競争の厳しい卒業生採用市場で、これが学生の競争と圧力を高めていると述べた。ISEによると、卒業生向け求人には現在、平均141件の応募が集まる。

ビデオ面接で注目される兆候

最も論争になりやすいのはビデオ面接である。ガーディアン紙が伝えたISE調査では、回答者の66%が、卒業生が面接中にAIを不適切に使った事例を少なくとも1件報告した。AIを使ってオンライン試験を完了させる行為が次に多く、47%の回答者が挙げた。その後に、応募時の質問への回答、履歴書やカバーレターの作成での利用が続き、最後の項目は10%だった。

マンチェスターの採用会社Digitalentを率いるChris Morrowはガーディアン紙に対し、面接を聞き取りながら即時に答えを提案するアプリには、見抜かれる兆候があると説明した。回答が出るのを待つ間の間、時間を稼ぐための言葉、過度に硬い、あるいは不自然な表現などが例として挙げられた。Morrowは、同社でこうした利用を確認した場合、不正とみなして面接を終える傾向があると述べた。

ただし、沈黙、硬い言い回し、似た回答だけでAI利用が証明されるわけではない。これらは採用担当者が述べた観察上の手掛かりであり、自動的な証拠ではない。企業の疑いも、それだけで事実の確定を意味しない。このため組織は、何を認め、何を認めず、疑義が生じた場合にどう扱うかを、選考開始前に明確にする必要がある。

  • AIによる履歴書やカバーレターの推敲は、内容が真実なら認められる場合がある。
  • 面接中にリアルタイムで生成された回答を受け取る行為は、規則に反する可能性がある。
  • 許可なくAIでオンライン試験を完了させれば、能力評価をゆがめるおそれがある。
  • 明文化された規則は、候補者と採用側の不確実性を減らす。

実際の能力を確かめる採用設計

BBCによると、エネルギー企業EDFは卒業生採用プログラムを開始して3週間で1万2000件の応募を受け、前年より10%増えたため早期に締め切った。初期キャリア採用の責任者Hollie Moodyは、AIが応募数にほぼ確実に寄与したと考えているが、AIの影響だけを数値化する資料は示していない。

BBCの報道では、EDFは現時点で候補者のスクリーニングにAIを使っていない。同社は履歴書を選考の後半で読むようにし、技能と行動に基づくオンライン評価、ビデオ面接を用いて候補者の力を見ようとしている。Moodyは、選考をできる限りAIの影響を受けにくくしようとしていると説明した。一方で、とくにビデオ面接で規則を回避しようとする応募者がいるとも述べた。

懸念は候補者間の公平さだけではない。Isherwoodは、候補者が自分を偽って見せれば、適性のない仕事に就くことになり得ると指摘した。雇用主にとっては、採用した人の技能、対話力、職務理解が、選考時に示された水準と一致しない危険につながる。

卒業生市場とAIの当面の影響

ISEの2026年調査によれば、卒業生採用市場は前年の8%減の後に安定し、2026年は4%増加した。雇用主は今後12か月でさらに7%増えると見込んでいる。ただし全体の数字には差がある。回答者の40%は卒業生採用を減らし、45%は増やし、15%は現状を維持した。

Isherwoodは、企業が卒業生採用を減らす主因は現時点ではAI導入ではなく、経済状況と不確実性だとしている。自動化が初級職により広く与える影響は、今回の採用判断の直接の説明というより、2年から3年先の課題だという。

日本の企業や組織にとって、これらの英国の事例が示す実務上の変化は明確だ。AIの許容範囲を書面で定め、必要に応じて候補者に利用の説明を求め、実際の能力を確認できる評価の場を設ける必要がある。一律に不正を疑ったり、すべてのツールを禁じたりするのではなく、準備の補助と、評価される本人を代替する行為を区別することが重要になる。

出典

  1. 'Spray and pray': How AI job applications can backfireBBC News — Technology · 2026年10月14日
  2. Use of AI in job interviews on the rise – but UK recruiters say they can spot the cheatsThe Guardian — AI · 2026年10月13日

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