Enveda、天然物由来のAI創薬パイプライン臨床推進に向け評価額20億ドルで3.11億ドルを調達
バイオテック企業のEnvedaは、天然物由来のAI創薬候補物質を臨床試験へ進めるため、企業評価額20億ドルでシリーズEクロスオーバーラウンドにて3億1100万ドルを調達した。

バイオテクノロジー企業であるEnvedaは、シリーズEクロスオーバー資金調達ラウンドにおいて3億1100万ドル(約3.11億ドル)を確保し、ポストマネー評価額を20億ドルへと引き上げました。Catalio Capital Managementが主導し、ICONIQ、Lightspeed、Durable Capital Partners、T. Rowe Price Investment Management、Surveyor Capitalといった有力投資企業が参加した今回の取引により、同社が12か月前に達成した企業評価額は実質的に2倍となりました。この大規模な機関投資家からの資本流入により、Envedaが過去6年間に累積で調達した総額は8億4500万ドルを超える規模に達しています。
Recursion Pharmaceuticalsの初期従業員であったViswa Colluru氏によって2019年に設立されたEnvedaは、地球上の広大な生物学的多様性の中に、未開拓の新規治療薬の化学的設計図が眠っているという基本理念に基づいて事業を展開しています。同社は、化学研究所において分子構造を一から完全に合成する従来の手法とは異なり、機械学習、計算メタボロミクス、および高度な分析手法を駆使して、植物や微生物に含まれる複雑な化学構造を解読しています。PRISMプラットフォームと名付けられた独自の計算エンジンを通じ、Envedaは何十億年にもわたり洗練されてきた古代からの天然化学構造を、厳格な臨床開発に適した創薬候補物質へと変換しています。
ヒト臨床試験を通じたパイプライン資産の推進
現在までにEnvedaは17種類の治療薬候補ポートフォリオを構築しており、そのうち3つの異なる分子がすでにヒトを対象とした臨床試験の段階に入っています。製薬業界全体を見渡しても、人工知能単独によって米食品医薬品局(FDA)の承認を取得した医薬品はまだ存在しないものの、Envedaは計算技術によって同定された分子を用いて測定可能な臨床的モメンタムを実証している数少ない先進的バイオテック企業群の一角を占めています。
今回新たに調達された3億1100万ドルは、主要な複数の治療薬アセットを中期および後期段階の臨床評価へと加速させる目的に充てられます。
- ENV-308:錠剤による運動効果の再現メカニズムを備え、GLP-1治療の中止後における体重減少を維持するために設計された経口肥満症治療薬候補。8月に完了した第1相臨床試験の結果において臨床的忍容性が確認されています。
- ENV-294:重度の炎症性皮膚疾患を標的とする治療薬候補であり、7月に発表されたアトピー性皮膚炎を対象とした初期臨床試験の結果において疾患の重症度を有意に軽減したことが示されています。
- ENV-6946:炎症性腸疾患(IBD)向けに処方された臨床アセットであり、今回のシリーズEの資金を活用して中期ヒト臨床試験へ進むことが予定されています。
- PRISMプラットフォームおよび初期パイプライン:複雑な炎症性疾患および代謝性疾患を標的とする前臨床アセットを体系的に前進させるための、中核となる人工知能アーキテクチャのさらなる技術的改良。
Envedaは、より広範な患者集団および追加の治療適応症を対象とした拡張臨床試験が今後数か月以内に開始される予定であることを確認しており、後期臨床開発への事業体制の移行を明確に示しています。
私たちは異なる前提からEnvedaを立ち上げました。新しい医薬品の最も信頼できる源泉は、生物が数十億年にわたって洗練させてきた化学構造であり、AIによってようやくそれを解読できるようになったのです。
計算生物学と産業的臨床検証の架橋
ヘルスケアに特化したクロスオーバー投資家が従来のテクノロジー系ベンチャーキャピタルとともに参加したことは、将来的な新規株式公開(IPO)を見据えた周到な財務的整合性を示唆しています。主導投資家であるCatalio Capital Managementはこれまでにも、肥満症領域に注力するKailera Therapeuticsや計算抗体設計のBigHat Biosciencesなど、注目度の高いライフサイエンス企業に資金を投じてきました。機関投資家にとってEnvedaへの支援は、単なる外部委託型のソフトウェアサービス提供者として機能する企業ではなく、完全に統合された社内パイプラインを自ら保有するプラットフォームへ出資することにより、アルゴリズムによる創薬探索のリスクを低減させる試みを意味しています。
2つの新規分子がヒトにおいて初期の可能性を示した今、この資金調達により、それらの成果にふさわしい企業を構築することができます。つまり、創薬探索から後期開発まで自社の医薬品を自前で推進し、業界がこれまで受け入れてきたよりも迅速かつ低コストでそれを実行できる体制です。
人工知能戦略を評価・導入しているバイオテクノロジー組織、製薬企業、研究機関にとって、Envedaの今回の資本調達のマイルストーンは、計算創薬プログラムに対する資金供給と評価のあり方に構造的な変化が生じていることを浮き彫りにしています。初期の予測ベンチマークやアルゴリズム単体での検証結果のみに依拠するのではなく、ライフサイエンス組織はヒトを対象とした第1相および第2相臨床試験の実証データを通じて、技術的優位性を裏付けることがますます求められています。企業の戦略部門にとって、エンドツーエンドの計算同定基盤によって支えられている限り、天然物分野における提携や探索は、純粋な合成化合物のスクリーニングライブラリに対する有力な競争力ある選択肢として再評価されています。
出典
- Enveda secures $311M to bring more nature-derived AI drugs into clinical trialsTechCrunch · 2026年9月23日
- AI drug hunter Enveda raises $311MBioSpace · 2026年9月23日



