Flockカメラの誤一致で女性が13日間拘束、米上院で証言
2026年9月23日、リンジー・アイザックスさんは米上院で、Flockのカメラ情報が死亡ひき逃げ事件と自分の車を誤って結び付け、13日間の収容につながったと証言した。

2026年9月23日、フロリダ州のリンジー・アイザックスさんは米ワシントンで上院司法委員会の犯罪・テロ対策小委員会に出席し、車両認識カメラの検索結果が自らの誤認逮捕につながった経緯を語った。アイザックスさんによると、Flock Securityのカメラが撮影した黒いDodge Durangoの画像が、死亡ひき逃げ事件の捜査資料の一部となり、彼女は13日間拘束された。
彼女は車両殺人の3件の容疑で逮捕されたが、第7巡回区の検察当局は2026年5月、アイザックスさんを起訴しないと決定した。報道によれば、その後この事件ではデルドナ在住のアリサ・リー・モンタルボ被告が起訴され、同被告はえんじ色のDodge Durangoを運転していたとされる。
現場ではなく、数キロ離れた地点の画像
事故は2025年10月4日、州間高速道路4号線で起きた。フラグラー郡の副行政官Jorge Salinas氏と妻Nancy氏、Suzukiのオートバイを運転していた54歳のデルドナの男性が死亡した。Daytona Beach News-Journalによると、フロリダ州ハイウェイ・パトロールは当初アイザックスさんに注目した。
アイザックスさんは後に、Flockのカメラが事故現場から西へ約2〜3マイルの場所で自分の黒いDurangoを撮影していたことを知ったという。一方で、目撃者はえんじ色のDurangoを説明していたと彼女は証言した。ミズーリ州選出のJosh Hawley上院議員は、現場に彼女の車の画像はなく、一般的な特徴を入力したAI検索が彼女の車を候補として返したとの理解を示し、アイザックスさんはこれに同意した。
- Flockカメラの画像は、事故現場から西へ約2〜3マイルの地点で撮影されたものだった。
- アイザックスさんは、目撃者がえんじ色のDodge Durangoを説明していたと証言した。
- 逮捕状は2026年4月17日に出され、保釈は4月29日に認められた。
- 検察は2026年5月、アイザックスさんを起訴しないと決定した。
自宅から拘置施設まで
アイザックスさんの説明では、事故当日、彼女はパームコーストのアパートで母親と料理をし、母親はオカラへ向かった。本人はダベンポートの店へ車で出かけ、午後10時25分ごろに帰宅したという。帰宅後に食事をし、両親へおやすみの電話をかけたとも述べた。彼女は捜査員に行動を説明し、レシートも渡したという。
翌10月5日午前1時4分ごろ、州警察官とマリオン郡保安官事務所の職員がオカラの両親宅を訪れ、本人とDurangoの所在を尋ねた。両親がパームコーストへ到着した午前4時45分ごろには、複数の警察官が建物の外におり、レッカー車が車を運び去っていたとアイザックスさんは語った。
警察官は衝突と整合する損傷が車にあると説明したが、彼女はその損傷を確認できず、車は良好な状態だったと主張した。彼女は同日に刑事弁護人Patrick McGeehan氏を依頼した。逮捕状が出たのは、それから約半年後の2026年4月17日だった。
拘束中の訴えと再検討
アイザックスさんは、出頭後およそ3日半を独房で過ごし、その後は最高警備のGブロックに移されたと証言した。13日間の拘束のうち約10日間を同区画で過ごしたという。拘置中には終身刑になる可能性を恐れ、報道と顔写真を見た他の収容者から嫌がらせを受けたと語った。これらは上院での本人の証言であり、独立した施設記録の詳細は公開資料では示されていない。
4月22日の勾留審問では保釈が認められなかった。アイザックスさんによれば、弁護士が州警察の保管場所にあるDurangoに損傷が見当たらない写真を複数提出したことで、州側は車両と事件を再評価した。彼女は4月29日に保釈され、13日後に釈放された。CNNも、誤ったFlockカメラの一致が約2週間の拘束につながったと報じた。
CNNはFlock Securityにコメントを求めたが、報道時点で回答は得られていない。このため、同社がこの個別事案の検索処理や運用についてどう説明するかは不明である。公開された報道だけでは、検索に入力された条件、警察がどの証拠をいつ確認したか、逮捕に至る判断の全過程も完全には分からない。
検索結果を結論にしないために
自動ナンバープレート読取装置は、ナンバーや車種、色などの情報から捜査の手掛かりを探すために用いられる。だが、候補として表示された車両は、それだけで現場への関与を確定するものではない。アイザックスさんの証言が示すのは、候補結果を人がどう検証するか、目撃情報、位置、時間、車両の損傷の有無をどう照合するかが、刑事手続きに重大な影響を持つという点である。
日本でも防犯カメラ、車両情報、画像解析をめぐる利用範囲と個人情報保護は継続的な論点となっている。米国のこの事例は、日本の制度に直接当てはまるものではないが、技術的な候補抽出と捜査上の事実認定を区別する必要性を示す。検索条件と確認手順を記録し、誤りを早期に訂正できる仕組みを持つことは、捜査の有効性と当事者の権利の双方に関わる。起訴されなかったとしても、すでに失われた13日間は戻らない。



