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MicrosoftとQualcomm、「Copilot+ PC」ブランドをひっそり廃止

Microsoftが9月23日に発表した新型Surface ProとSurface Laptopには「Copilot+ PC」の表示がなく、QualcommとNvidiaも名称の使用をやめつつある。2024年に始まったAI PCブランドは消えるが、45 TOPSのNPUなどハードウェア要件はそのまま残る。

nullbot 編集部公開日 2026年9月25日約 5 分で読めます出典 (3)
Lenovo製ノートPCのキーボードにあるCopilotキー
DigitalIceAge · CC BY 4.0 · Wikimedia Commons

Microsoftが2024年に、AI向けに設計された新しいWindowsパソコンのカテゴリーを打ち出すために立ち上げた「Copilot+ PC」ブランドが、発表のないまま廃止されつつある。Golem、MuyComputer、01netによると、Surface担当コーポレートバイスプレジデントのブレット・オストラム氏がWindows Centralに対し、最新のSurface製品ではこの名称を使っていないことを認めた。

対象は、2026年9月23日にQualcommのSnapdragon X2 Plusを搭載して発表された12インチのSurface Proと13インチのSurface Laptopだ。オストラム氏によると、両機種ともカテゴリーの要件をすべて満たしているが、その名称は冠していない。

Copilot+ PCが意味していたもの

Copilot+ PCは製品というより認証ラベルだった。WindowsのAI機能をローカルで動かすためのハードウェアの最低基準を定めたもので、特に機械学習の計算に特化したチップであるニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)に、毎秒45兆回(45 TOPS)以上の処理能力を求めていた。Microsoftはこれに、他社のクラウドではなく端末上で動くWindows 11の独占機能を結びつけていた。

Qualcommもこの呼称から距離を置いている。Golemと01netによると、同社コンピュート・ゲーミング担当シニアバイスプレジデントのケダー・コンダップ氏は、このブランドは45 TOPSのNPUのような固定の性能基準で機器の分類を定めるためのものだったと説明し、今後も同じ機能は提供するが、Copilot+ PCという言葉はおそらく使わないと述べた。Windows Centralによると、PCメーカーやNvidiaもこのラベルを避けており、Nvidiaは要件を満たす機器であってもRTX Sparkプラットフォームをこの名称なしで販売している。

Golemは、ブランド終了の公式発表はないと指摘する。MuyComputerは、メーカー各社がすでにマーケティングや製品名でこの名称を使わなくなっていたとみている。

Recallがつまずかせた船出

このカテゴリーは出だしのつまずきから立ち直れなかった。目玉機能のRecallは、ユーザーの操作を定期的にすべて画面キャプチャーし、過去の作業をAIで検索できるようにするものだった。01netによると、セキュリティ研究者がすぐに重大な脆弱性を示し、Microsoftは機能の提供を延期せざるを得なかった。最初のCopilot+ PCは、最大の売りを欠いたまま販売されたことになる。MuyComputerによると延期は1年近くに及び、Windows 11 2024 Updateの提供も遅れた。

01netは、名称自体も混乱を招いたとみる。Copilot+というラベルはMicrosoftのアシスタントCopilotの仕組みと直接の関係がなく、しかもCopilotブランドの評判はユーザーの間で芳しくなかった。MuyComputerは、Windowsのあちこちに配置されたCopilotボタンや、Windows責任者のパヴァン・ダヴルリ氏がWindowsをエージェント型OSへ進化させると発信したことが数千件の否定的な反応を呼び、その後Microsoftが Windows 11でのAIの押し付けを減らすと約束したと付け加えている。

Golemによると、MicrosoftはWindows 11のバージョン24H2、25H2、26H2のRelease Previewで、Copilotキーを右Ctrlキーやコンテキストメニューキーに割り当て直せるオプションも試験している。

Microsoft製品名の平均寿命より短命

今回の撤退はおなじみのパターンに沿っている。Golemによると、Microsoft MVPのロリアン・ストラント氏は同社の度重なる名称変更を「Rebrand Registry」にまとめており、現在72製品、計158の名称を記録している。そこでの製品名の平均寿命は2年11カ月だ。2024年に始まったCopilot+ PCはその平均にも届かなかった。

  • 2024年:MicrosoftとQualcommがCopilot+ PCカテゴリーを開始。NPUの基準は45 TOPS。
  • 目玉機能のRecallは、セキュリティ研究者が脆弱性を明らかにしたことで延期。
  • 2026年9月23日:新型Surface ProとSurface Laptopがラベルなしで登場。
  • 2026年10月7日:Golemが引用する招待状によると、サンフランシスコでローカルAIをテーマにWindowsとSurfaceのイベントを開催。サティア・ナデラ氏とジェンスン・フアン氏が登壇。

今後の焦点

Golemによると、Microsoftは2026年10月7日にサンフランシスコで開くWindowsとSurfaceのイベントに報道陣を招待しており、招待状ではローカルAIがPCの次の章をどう形づくるかがテーマとされている。Nvidiaのジェンスン・フアンCEOがサティア・ナデラ氏とともに登壇する。MicrosoftがCopilot+ PCの後継を示すかどうかはわかっていない。MuyComputerは、このイベントでWindows 11におけるAIの位置づけが明確になると見込んでいる。

購入者にとっての実際の影響は、わかりやすい目印を失うことだ。Golemは、このラベルが、機器がWindowsのAI機能に必要なハードウェア要件を満たしているかを一目で示していたと指摘する。01netは、要件そのものは引き続き有効で、これらの機能を使うにはNPUとローカルでのAI処理が必要だと強調する。MuyComputerは、新しいPCの大半が最低基準を上回るNPUを搭載するようになった今、ラベルはもともと意味を失っていたと主張している。

日本企業にとっての意味

ノートPCを一括で更新する企業の情報システム部門にとって、ラベルの消滅は、調達仕様に要件を直接書き込む必要があることを意味する。マーケティング上のバッジではなく、45 TOPS以上のNPUと、組織が実際に使うつもりのWindowsのローカルAI機能への対応を明記することだ。複数年の調達契約を結ぶ自治体や大企業にとっても教訓になる。AI PCをめぐる用語は機器の更新サイクルより速く変わり、ブランド名に結びついた仕様書は、機器の減価償却が終わる前に古くなりかねない。

出典

  1. Microsoft elimina la marca Copilot Plus PCMuyComputer · 2026年9月25日
  2. Copilot+ PC: Microsoft und Qualcomm geben die KI-PC-Marke aufGolem.de · 2026年9月25日
  3. Microsoft abandonne les PC Copilot+01net · 2026年9月25日

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