Crusoe、39億ドルのシリーズFでモジュラーAIファクトリーとデータセンター拡大へ
Crusoeは2026年9月17日に39億ドルのシリーズF資金調達を完了し、評価額は309億ドルに達したと発表。資金はSparkモジュラー型データセンター工場とテキサス拠点など既存AIインフラへ投入される。

2026年9月17日、CrusoeはシリーズFで39億ドルの資金調達を行い、ポストマネーバリュエーションを309億ドルに引き上げた。このラウンドはAtreides Management、Mubadala Capital、Valor Equity Partnersが共同リードし、Founders Fund、GIC、Nvidia、カタール投資庁、Radical Ventures、TPGが参加した。
調達した資金は既存プロジェクトと新たなモジュラーAIファクトリー「Spark」の展開に使われる。既存プロジェクトにはテキサス州アビリーンの大規模キャンパスが含まれ、現在OpenAIのワークロードをホストしており、今回の資金でアップグレードが行われる。
Sparkが約束すること
Crusoeによると、Sparkは工場で組み立てられたデータセンターモジュールで、標準トラックに積んで現場へ輸送し、高容量電力網に接続できる。モジュラー方式により導入期間が短縮され、現場工事の労働負担が減り、従来の大型施設に比べて小さなフットプリントで容量を拡張できる。
各Sparkユニットは再生エネルギーからグリッド電力まで幅広い電源入力に対応でき、複数ユニットを連結して大規模なコンピュートクラスターを構築できる。プラグアンドプレイの接続性を重視し、土木工事の手間を最小限に抑える設計となっている。
ビジネスモデルと最近の受注
Crusoeはハイブリッドリースモデルを採用している。顧客は自前のGPUを持ち込んでラックスペースを借りるか、CrusoeからGPUをリースするか、あるいは推論容量をサービスとして購入できる。この柔軟性は大規模言語モデルの学習からリアルタイム推論まで幅広いAIワークロードに対応することを目的としている。
今年初めに発表された注目の契約は、Jane Streetが5年契約で130億ドル相当のクラウドサービスを締結したというものだ。BloombergがTechCrunchを通じて報じたこの取引は、スケーラブルで高性能なAIインフラへの需要が高まっていることを示している。
投資家構成
投資コンソーシアムはテクノロジー、政府系ファンド、ベンチャーキャピタルの専門知識が融合した構成となっている。Nvidiaの参加はCrusoeのハードウェア非依存アプローチへの信頼を示し、Mubadala Capitalやカタール投資庁といった主権系投資家は大規模エネルギー集約型プロジェクトの経験を提供する。
- Atreides Management (共同リード)
- Mubadala Capital (共同リード)
- Valor Equity Partners (共同リード)
- Founders Fund
- GIC
- Nvidia
- カタール投資庁
- Radical Ventures
- TPG
Crusoeは2018年に設立され、当初はフレアガスを利用した暗号通貨マイニングリグを構築していた。AIインフラへの転換は同じ高密度・低コスト計算技術を活かしつつ、収益モデルをマイニング報酬から企業向けAIサービスへシフトしたものだ。
同社はSpark工場の迅速な展開を計画しているが、各導入にはエネルギー供給、許認可、地域コミュニティの受容性といった現地評価が必要であると認めている。これらは資金調達の対象外であり、案件ごとに個別評価される。
シリーズFの資金は既存データセンターの拡張にも充てられ、AI開発者が求める大量計算リソースと柔軟な利用モデルへの需要に応える体制を強化する。
日本の企業にとって、モジュラー型Spark工場と多様なリースモデルの組み合わせは、従来のデータセンター建設に比べて導入までのリードタイムを大幅に短縮できることを意味する。企業はSparkユニットを注文し、数週間で設置、すぐにワークロードを走らせることができ、必要に応じてスケールアウトやハードウェアのアップグレードも容易になるため、資本支出と運用リスクの両方を削減できる。
出典
- Crusoe Raises $3.9B Series F at a $30.9B ValuationCrusoe · 2026年9月17日
- Crusoe raises $3.9B to build massive data centers and modular AI factoriesTechCrunch · 2026年9月17日



