オーストラリア、アルゴリズム除外ボタンを推進も米国は検閲懸念
オーストラリア政府は、ユーザーがアルゴリズムフィードと時系列表示を選択できるオプトアウト機能をソーシャルプラットフォームに義務付けようとしており、違反時の罰金は1億オーストラリアドルを超える可能性があるとし、米国からは曖昧な「有害」定義に対する批判が出ている。

オーストラリア政府は現在「デジタルケア義務」の草案を策定中で、ソーシャルメディアプラットフォームに対し、利用者がアルゴリズムによるタイムライン表示をオフにし、フォロー中のアカウントの投稿を時系列で閲覧できるオプトアウト機能を定期的に提供することを義務付けようとしている。
オプトアウト機能の具体的要件
この機能は全ユーザーに対して常に選択可能であることが求められ、プラットフォームはユーザーインターフェース上に明確な切替スイッチを設置し、利用者が任意のタイミングでアルゴリズムフィードと時系列フィードを行き来できるようにしなければならない。
さらに、オプトアウト状態が保持される期間や、ユーザーが設定を変更した際の通知方法についても詳細なガイドラインが示され、透明性と利用者の意思決定支援が重視される。
有害コンテンツ対策の拡充
同法はオプトアウト機能に加えて、プラットフォームに有害コンテンツの特定・評価・緩和を義務付け、特に18歳未満の利用者が直面しやすい身体イメージへの圧力やオンラインハラスメントといった問題に焦点を当てる。
eSafety委員長は認定研究者と協力し、シミュレートされた未成年プロファイルがアルゴリズムフィードと時系列フィードの双方をどのように体験するかをテストする権限を持ち、その結果をリスク低減策に活用する方針を示した。
罰則と執行体制
ABCニュースが報じるところによれば、違反が確認された場合の罰金は1億オーストラリアドルを超える可能性があり、オーストラリア国内で事業を行うグローバルテック企業に対しては強硬な規制姿勢が取られることになる。
- 全ユーザー向けの必須オプトアウト切替
- 未成年シミュレーションプロファイルでの定期テスト
- 有害コンテンツの評価と削減義務
- 違反ごとに1億オーストラリアドル超の罰金
オーストラリア財務省は、この財政的罰則が抑止力として機能し、プラットフォームが自主的な対策に頼らず、堅牢なコンテンツモデレーションシステムへの投資を促すと見込んでいる。
米国の外交・業界の反応
キャンベラにある米国大使館は、法案で曖昧に定義された「有害」の概念が過度な検閲につながり、政府承認基準に合わない見解が沈黙させられる恐れがあると警告した。
米国当局者はまた、設計段階での義務が独立系ジャーナリストのリーチを縮小させ、プラットフォームが罰則回避のために論争的と見なすコンテンツを事前に制限する可能性があることを懸念している。
批評家は、オーストラリアのアプローチが他の法域にも前例を作り、規制圧力が国境を越えて波及するリスクがあると指摘している。
アンソニー・アルバニーズ首相は、この立法は国家ではなく個人にコントロールを返すことを目的としており、ソーシャルフィードの選択は個人の意思に委ねられるべきだと答えた。
しかし、草案はまだ変更の余地があり、有害コンテンツの定義やオプトアウト要件の具体的範囲、議会投票のタイムラインは現在議論中である。
日本企業への実務的影響
日本語圏の組織にとって実務的な影響は二つある。まず、プラットフォームがオプトアウト機能に適合しているかを監査し、eSafety当局による監査に備える必要がある。
次に、コンテンツモデレーション方針を新基準に合わせて見直し、罰金リスクを回避しつつ編集上の自由を保つことが求められる。
これらの対応を遅延なく実施すれば、オーストラリア市場へのアクセスを維持できるだけでなく、将来的に他国でも類似の規制が導入された際の先行的なコンプライアンス体制として活用できるだろう。
出典
- US criticises Australia's proposed algorithm opt-out laws as censorshipBBC News · 2026年9月23日
- Opt-out laws for social media algorithms to be introduced to parliamentABC News · 2026年9月6日



