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Docker「Cloud Sandboxes」、AIコーディングエージェントをコマンド一つでノートPCからクラウドへ

Dockerは、Claude CodeやCodex、Copilotなどのコーディングエージェントが最長24時間作業できる、自社サーバー上の隔離されたマイクロVM「Cloud Sandboxes」を始めた。コマンド一つでサンドボックスをノートPCとクラウドの間で移せる。料金は1時間0.07ドルからだ。

nullbot 編集部公開日 2026年9月25日約 5 分で読めます出典 (2)
パソコン画面に表示された色分けされたプログラムコード
Markus Spiske · Pexels License · pexels.com

iThomeとDockerの公式ブログによると、Dockerは、開発者のPC上でAIコーディングエージェント向けに提供してきた隔離環境を、Dockerが管理するクラウドのサーバーに広げるサービス「Cloud Sandboxes」を開始した。開発者は大規模なリファクタリングやテストなど時間のかかる作業をクラウドでエージェントに任せられ、sbx moveコマンドでサンドボックスをノートPCとクラウドの間で移動できる。

ここでいうサンドボックスとは、AIエージェントがパッケージのインストールやコマンドの実行、コンテナの起動を行えるものの、開発者が意図して開放していない手元のマシンの資源には触れられない隔離環境のことだ。iThomeによると、今年初めに登場したDocker Sandboxesは、各エージェントを独自のLinuxカーネル、ファイルシステム、ネットワーク、Dockerデーモンを備えたマイクロVMで動かす。

エージェントに専用の作業場所が要る理由

Dockerは、この1年でコーディングエージェントに起きた最も重要な変化は、はるかに長く作業できるようになったことだと書く。依存関係の移行や1時間かかるテストスイートのように、かつては開発者が数分おきに確認する必要があった作業も、今は任せて終わってから見直せる。同社によると、ノートPCは人間を中心に作られている。ふたを閉じればスリープし、バッテリーでは遅くなり、移動すれば接続が切れる。30秒の作業なら問題ないが、一晩中動く作業では致命的だという。

Dockerによると、Cloud Sandboxesはローカル版と同じマイクロVMによる隔離と同じコマンドラインツールを使う。開発者は退社前にクラウドでエージェントを動かし、翌朝に結果を確認できる。ローカルで始めて、ノートPCで手に負えなくなったら作業をクラウドに移すこともできる。多数の作業を並行して動かすことも可能で、それぞれが独自のマイクロVM、秘密情報、ネットワークポリシーを持つ。

含まれるもの

  • キット:Claude Code、Codex、GitHub Copilot、Google Antigravity、OpenCode、Hermes向けの構築済みサンドボックス。独自の環境も作れる。
  • MCP:Jira、Linear、Grafana、incident.ioなどのサーバーを、共通のゲートウェイ経由で一度つなげばよい。
  • 秘密情報:鍵は一度保存すればリクエストごとに注入され、エージェントが本物の鍵を見ることはない。
  • ポリシー:エージェントが接続できる宛先をネットワークのルールで定める。
  • 料金:1vCPU・2GiBで1時間0.07ドルから、16vCPU・32GiBで1時間1.12ドルまで。秒単位で課金。

秘密情報の扱いは安全性にかかわる。Dockerによると、Cloud Sandboxesのプロキシがリクエストごとに認証情報を注入するため、エージェントは本物の秘密情報を見ない。エージェントが最初から持っていない秘密には、プロンプトインジェクションも手出しできないという。プロンプトインジェクションとは、エージェントが読む内容に悪意ある指示を紛れ込ませ、利用者の意に反する行動を取らせようとする攻撃のことだ。Dockerは、企業向けの一元的なガバナンス機能を「Docker AI Governance」として近く提供するとしている。

サンドボックス移動の制約

iThomeによると、ローカルとクラウドの間の移動では実行中のプロセスは引き継がれない。sbx moveはサンドボックスのファイルシステムをコンテナイメージとして保存し、移動先に新しいサンドボックスを作るため、動いているプログラムやメモリの内容は一緒に移らない。ローカルでマウントしたディレクトリ、sbxで管理する鍵、ネットワークのアクセスルールも移らず、移動先で別途設定が必要で、元のサンドボックスは残る。Docker自身も、ローカルとクラウドのサンドボックスでは秘密情報、テンプレート、ネットワークポリシーが別々だと注意を促している。

Dockerによると、Cloud Sandboxesは従量課金で、計算時間は秒単位で計測され、一時停止中は料金がかからない。ボリューム、外向きの通信、公開イメージやキットは無料だ。iThomeは、AIモデルの料金はモデルの提供元が別途請求し、利用者は自分の鍵を使えると補足している。サンドボックスは初期設定で1時間、1セッション最長24時間動く。利用にはsbx 0.45.1以降と、Docker PersonalまたはProアカウントの従量課金プランが必要だ。ローカルのDocker Sandboxesは引き続き無料で、Docker Desktopも要らない。

一つのサンドボックスで二つの場所をカバーする理由

Dockerは、独自のコマンドを持つ別のクラウド製品をあえて作らなかったと説明する。エージェントをどこまで信頼できるかは、それがたまたまどこで動いているかに左右されるべきではないからだという。同社は、知る限りこのように動くエージェント用サンドボックスはほかにないと主張する。対話的な作業はノートPCに、何時間もかかる作業はクラウドに向いており、ほとんどの開発者は両方を必要とするというのがDockerの考えだ。期間限定で、新規アカウントには250ドル分の無料クレジットが付与される。

日本企業にとっての意味

すでにコーディングエージェントを使っている開発チームにとって、Cloud Sandboxesはエージェントの実行を、開発者の手元と同じ隔離を備えた従量課金のクラウド資源に変える。費用は見積もりやすいが、導入前に注意すべき点が二つある。コードとデータが自社のマシンを離れてDockerのサーバーに置かれること、そしてモデルの利用料がモデル提供元から別途請求されることだ。サンドボックスを移しても設定は引き継がれないため、各サンドボックスのネットワークポリシーと秘密情報は最初から決めておくべきだ。

出典

  1. Docker Cloud Sandboxes上線,AI代理環境可在本機與雲端雙向搬移iThome · 2026年9月25日
  2. Introducing Cloud Sandboxes: Start on Your Laptop, Finish in the CloudDocker · 2026年9月24日

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