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Z.aiが謎のモデルOx Alphaの開発元と判明、正体はGLM-5.3-Flash

Z.aiは匿名モデル「Ox Alpha」を自社が開発したと認めた。正体はGLM-5.3-Flashで、Nvidia製チップを使わずに動作し、価格は西側モデルのごく一部にとどまる。

nullbot 編集部公開日 2026年8月27日約 7 分で読めます出典 (2)
データセンターのサーバールームに並ぶサーバーラック
NOIRLab/NSF/AURA/T. Slovinský · CC BY 4.0 · Wikimedia Commons

8月下旬、前触れもなくOx Alphaという名の謎のモデルがOpenRouterとOpenCodeに登場し、どの研究所も名乗り出ないまま、ランキングやベンチマークで最上位モデルと肩を並べるまでに上り詰めた。その後数日間、この沈黙はAI業界最大級の推理ゲームへと発展した。本サイトが以前この覆面リリースについて報じた記事では、開発元をめぐる五つの対立する説を整理していた——Z.aiのGLMファミリー、Microsoft、Google、Cursor、ByteDanceの五つで、いずれも名指しされた企業が肯定も否定もしなかったため、主にトークナイザー(文章を単語単位に分割する仕組み)に残る痕跡をもとにした推測だった。トークナイザーのテストが最も一貫して指し示していたのはZ.aiだった。11種類の独立したテストでGLM系モデルはすべて一致し、他のどの研究所のモデルも一致数は4つを超えなかった。しかしOx Alphaが吸収していた無料利用の規模の大きさが、当時最有力とされていたこの説にすら疑いを投げかけていた。

この謎は今回、解決した。TechCrunchが引用したBloombergの報道によれば、Z.aiはOx AlphaがGLMシリーズの最新モデルであることを認めた。同社はOx Alphaの重みを水曜日に公開する予定だとしており、公開後は外部の開発者が直接それを土台に開発できるようになる。Z.aiはこのモデルについて、コーディングや長時間にわたるエージェント作業、本番環境での運用向けに設計され、長期にわたるソフトウェア開発タスクや、テキストと画像を組み合わせたワークフローに適していると説明している。

覆面の正体:GLM-5.3-Flash

正式名称ではOx AlphaはGLM-5.3-Flashにあたる。ドイツのメディアthe-decoder.deによれば、これはGLM-5シリーズで初めてネイティブにマルチモーダル対応したモデルだという。総パラメータ数は3200億にのぼるが、1つのタスクで実際に有効化されるのはそのうち180億のみで、推論コストを抑えるための混合エキスパート(MoE)方式が採用されている。モデルはMITライセンスで公開され、重みはHugging Faceに掲載されており、コンテキストウィンドウは100万トークンに対応する。

Artificial AnalysisのIntelligence Indexでは、GLM-5.3-Flashは最大推論負荷時に57点を記録し、より大きなGLM-5.3の60点にわずか3点及ばない水準で、GPT-5.6 TerraやMuse Spark 1.2とほぼ同じレベルにある。本当に重要な差は価格だ。Artificial Analysisの試算では、同指数における1タスクあたりのコストは0.09ドルで、GLM-5.3の0.68ドルと比べて約7.5倍安く、同社はこれによってこのモデルが知能とコストのパレートフロンティア上に位置するとしている。Z.ai自社のAPI経由では、GLM-5.3-Flashは入力100万トークンあたり0.15ドル、出力100万トークンあたり0.50ドルで、GLM-5.3の価格のおよそ10分の1にとどまる。エージェント型ベンチマークGDPval-AA v2では、Elo約1770を記録し、GLM-5.3やGrok 4.6と並び、Claude Opus 5にのみ後れを取る。その代償は効率面に表れている。Artificial Analysisによれば、このモデルの出力トークンのうち約90%は最終的な回答ではなく推論過程に費やされており、トークン単価が安くても応答が遅くなる可能性がある。

  • 総パラメータ数3200億、タスクごとに実際に有効化されるのは180億(混合エキスパート方式)
  • Intelligence Index:57点、GLM-5.3の60点に対し、タスクあたりのコストは約7.5倍安い(0.09ドル対0.68ドル)
  • API価格:入力100万トークンあたり0.15ドル、出力100万トークンあたり0.50ドル——GLM-5.3の価格のおよそ10分の1
  • エージェント型GDPval-AA v2スコア:Elo約1770、Claude Opus 5にのみ後れを取る
  • Z.aiによれば、1日あたり100兆トークンを配信、すべて中国製チップ上で稼働

Nvidiaの「CUDAの堀」への一つの試練

より注目すべき主張は、モデルそのものではなくインフラに関するものだ。正式名称での公開に先立ち、Z.aiはGLM-5.3-Flashを「ox-alpha」という匿名でOpenCodeとOpenRouter上でテストしており、そこでその週に最も使われたモデルとなった。Z.aiによれば、そのトラフィックはすべてNvidia製ハードウェアではなく中国製AIチップ上で稼働していたという。SemiAnalysisの報道によれば、この体制で1日あたり100兆トークンが配信されており、これはこれまで最先端の研究所にしか達成できないと考えられていた規模だという。同メディアはまた、Z.aiがハードウェア効率とトークンあたりのコストは主流のNvidia GPUに匹敵すると主張していると指摘している。SemiAnalysisはこの結果を、いわゆるNvidiaの「CUDAの堀」に対するもう一つの試練だと位置づけている。CUDAとは、Nvidiaがほぼ20年かけて築き上げた独自のソフトウェア層で、AIフレームワークとNvidia製チップの間に位置し、ほぼすべてのAIソフトウェアがこれに合わせて最適化されている。別のチップに乗り換えるには通常、計算処理やメモリアクセスをゼロから組み直す必要があり、この作業がこれまでNvidiaの競合他社を苦しめてきた。チップは仕様上は高速でも、実際の稼働では十分に活用しきれていなかったのだ。Z.aiは、オープンソースのSGLangフレームワークを土台に独自の配信ソフトウェアを構築し、処理を独立してスケール可能な複数の段階に分割することでこの問題を回避したとしている。同社によれば、この方法により同じハードウェア上でのスループットは最初の試みと比べて3倍になったといい、この最適化作業にはGLM-5.3をベースにしたエージェントが協力したという。

このような匿名の「ステルス」リリースは、特に中国の研究所の間で一つの定石になりつつある。名前を伏せてモデルを公開すれば、既知のブランドにまつわる先入観——それが好意的であれ懐疑的であれ——から離れ、純粋にランキングの成績と開発者による実際の利用だけで評価されるようになる。それは同時に、まったく新しいインフラ(今回の場合はNvidiaに一切頼らない配信パイプライン全体)を、自社の名前を賭ける前に本番規模で試す手段にもなっている。

Nvidiaに依存しないというこの主張は、米国による長年の輸出規制という背景のもとで出てきたものだ。この規制は中国の研究所が最先端のNvidia製AIチップを入手する経路を制限し、各社を国産の代替チップと、それを競争力あるものにするための独自ソフトウェア開発へと押しやってきた。もしZ.aiが示した効率性の数値が独立した検証に耐えるものであれば、輸出規制を回避するのではなく、それを迂回して能力を築いている研究所に対して、CUDAというソフトウェアのエコシステムだけでNvidiaが長期的な優位を保証されるという前提を弱めることになる。これは、長らく市場を支配してきたNvidiaがどれだけの価格決定力を維持できるかという点にも、現実的な影響を及ぼしうる。

本番環境のワークロードを、西側の最先端モデルではなく、より安価な中国製モデルに切り替えるべきか検討している企業にとって、GLM-5.3-Flashは具体的な判断材料を提供する。フラッグシップ級モデルに近い性能を、APIコストの約10分の1で得られ、しかもライセンス上は自社ホスティングも許されている。一方で代償も現実的だ。推論トークンの消費量が多く応答が遅くなりうる点、中国に拠点を置く研究所ゆえのデータ取り扱いや輸出規制順守に関する独自の懸念、そしてOx Alphaのステルスリリース自体がそうだったように、Z.aiが自ら公開するまでこれらの仕様が独立した第三者による検証を受けていなかった点だ。こうした低価格・高性能なモデルが中国の研究所から相次いで登場する中、ベンチマークのスコアだけでなく、コスト削減とこうしたデータガバナンス上の懸念を天秤にかけることが、ベンダー評価における標準的なステップになっていくとみられる。

出典

  1. Surprise: Z.ai is the AI lab behind the mysterious Ox Alpha modelTechCrunch · 2026年8月26日
  2. Chinesisches KI-Modell GLM-5.3-Flash läuft ohne Nvidia und kostet einen Bruchteil der KonkurrenzThe Decoder · 2026年8月27日

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