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Black Forest LabsのFLUX 3 Action、70億パラメーターの公開ロボットモデルでRoboLab首位

Black Forest Labsは、映像とロボットの動作を同時に予測する70億パラメーターのオープンウェイトモデル「FLUX 3 Action」を公開した。ベンチマークRoboLab-120で成功率42.92%を記録し、NvidiaのCosmos 3 Nanoを上回って首位となった。ライセンスは非商用に限られる。

nullbot 編集部公開日 2026年9月25日約 5 分で読めます出典 (3)
ユニバーサルロボットのロボットアームUR16eと制御装置、ティーチペンダント
Auledas · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

画像生成モデルFLUXを手がけるBlack Forest Labsがロボット分野に乗り出した。MarkTechPost、The Decoder、GIGAZINEによると、同社はロボット制御向けに設計した70億パラメーターのオープンウェイトモデル「FLUX 3 Action」を公開した。重みはHugging Faceで入手できる。

FLUX 3 Actionは、同社が「世界行動モデル(World Action Model)」と呼ぶものだ。この種のモデルはカメラ映像、ロボットの状態、テキストの指示を読み取り、次の瞬間に場面がどうなるかと、ロボットが取るべき動作を同時に予測する。The Decoderによると、主に動画で学習した同社のマルチモーダルモデル「FLUX 3」から派生している。

ベンチマーク結果が示すもの

MarkTechPostによると、Isaac Simで模擬した机上の120タスクを、Franka製ロボットアームでそれぞれ10回ずつ試すRoboLab-120のリーダーボードで、FLUX 3 Actionは成功率42.92%で首位に立った。これまで最良のオープンモデルだったNvidiaのCosmos 3 Nano(36.8%)を6.1ポイント上回り、パラメーター数は56%少ない。推奨版を複数回実行した同社自身の平均は42.24%(誤差±0.36)だ。

同メディアによると、結果は実機でも裏付けられた。Positronic RoboticsがFrankaのアームで10タスク各3回のブラインド評価を行ったところ、FLUX 3 Actionは30回中28回成功し、Cosmos 3 Nanoは27回、DreamZeroは20回、高速なπ0.5は13回だった。

  • RoboLab-120(シミュレーション):FLUX 3 Actionが42.92%、Cosmos 3 Nanoが36.8%、π0.5が28.0%。
  • 実機でのPositronic Roboticsによるブラインド評価:FLUX 3 Actionが30回中28回、Cosmos 3 Nanoが27回、DreamZeroが20回、π0.5が13回。
  • 速度:Black Forest Labsによると、FP8でCosmos 3 Nanoより最大3.95倍高速。
  • 1回の呼び出しで15Hzの動作を32個、つまり2.13秒分を出力。π0.5は1回あたり1秒分。

解決しようとしているトレードオフ

MarkTechPostによると、オープンなロボット制御モデルには通常、二者択一がつきまとう。Cosmos 3 Nanoのように映像を予測するモデルは精度が高いが負荷が大きく、Black Forest LabsがNvidia B200チップで測定したところ、ロボットの動作1秒あたりの処理時間はπ0.5の約4.7倍だった。π0.5のような視覚・言語・行動モデルは速いが成功率が低い。FLUX 3 Actionは映像と動作の同時予測を維持しつつ、小型のネットワークと蒸留によって速度差を縮めた。

モデルは3種類で、それぞれ2種類の数値精度で提供される。基本版、1.8〜2倍速くスコアもやや高い版、そして1ステップで3.15〜4倍速くなる代わりに成功率が3.5〜4.3ポイント下がる版だ。MarkTechPostは、一般向けGPUのRTX 5090では最速版でもπ0.5より遅いと指摘している。

学習の方法

MarkTechPostによると、FLUX 3の基盤ネットワークの事前学習に使われたトークンの95%以上が動画だった。その後の動作学習では、これに動作と対応づけた動画を混ぜた。ゲームの録画、人の手を一人称で撮った動画、手持ちのグリッパー、14種類の機械で遠隔操作したロボットのデータだ。事前学習の効果は大きく、ロボットのデータだけで学習するとRoboLabでの成功率は1%未満にとどまったが、事前学習を加えると同じ手順で追加学習前に11.6%に達した。

Black Forest Labsは、このモデルをハイブリッド構成の「速い側」としても試験した。OpenAIのGPT-6 Astraが計画役を担い、予測された動作を採用、修正、または差し替える。同メディアによると、この組み合わせは90%のエピソードを成功1回あたり8.77ドル、約8分で解いた。Astra単独で推論負荷を最大にするとすべて解けたが、成功1回あたり13.47ドル、16分以上かかった。

利用条件

MarkTechPostとGIGAZINEによると、各チームは自社のロボットに合わせてモデルを調整できる。同社は学習レシピを公開しており、低価格アーム「SO-101」の物をつかんで置く動作が約200回の実演で習得できることも示した。さらにNvidiaと共同でHugging Faceのロボットプラットフォーム「LeRobot」にネイティブ統合し、Nvidia Jetsonボードでのエッジ展開にも対応した。主要なポリシーの実行には約32GBのGPUメモリが必要で、精度を下げれば24GBのカードにも収まる。

注意すべき制約が二つある。FLUX Kommunity Licenseは非商用利用しか認めていない。また、モデルが出力する関節の目標値には速度、力、作業範囲の制限が組み込まれておらず、アプリケーション側で課す必要があるとMarkTechPostは強調している。The DecoderとGIGAZINEによると、同社はゲームや車両の制御、コンピューターを操作するエージェントなど、ロボット以外の用途も見込んでいる。

日本企業にとっての意味

ロボット関連のスタートアップやシステムインテグレーター、大学の研究室にとって、FLUX 3 Actionは自社のタスクでNvidiaのモデルと比べられる新たな無料の基準となり、公開された学習レシピが試行のコストを下げる。一方で、製造ラインにそのまま導入できる製品ではない。ライセンスは別の合意なしでの商用利用を認めておらず、力や速度に関する安全制限はインテグレーター側の責任で実装する必要がある。産業用ロボットの導入が進む日本の現場で使う場合も、そのための技術的な作業と、顧客への導入前に商用ライセンスを協議する時間を見込んでおくべきだ。

出典

  1. Black Forest Labs Releases FLUX 3 Action: A 7B Open-Weights World Action Model That Tops RoboLab-120MarkTechPost · 2026年9月24日
  2. Black Forest Labs stellt FLUX 3 Action vor: Offenes KI-Modell soll Robotern das Handeln beibringenThe Decoder · 2026年9月24日
  3. ロボット制御向けAIモデル「FLUX 3 Action」をBlack Forest Labsが公開GIGAZINE · 2026年9月25日

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