Aikido が Altar-1 を発表:エアギャップ環境向け 328 GB AI モデル
Aikido Security は、Z.AI の GLM‑5.3 由来の 328 GB オープンウェイト AI モデル Altar-1 を公開し、コードや設計情報、検出結果をオンプレミスのエアギャップ環境内に留めた自律型ペンテストを実現します。

Aikido Security は、Z.AI が開発した GLM‑5.3 アーキテクチャをベースにしたオープンウェイト AI モデル Altar-1 のリリースを正式に発表し、防御的セキュリティワークロード向けに提供することを明らかにしました。
同社は、ソースコード、アーキテクチャ文書、未修正の検出結果といった機密情報が顧客インフラを離脱しないよう徹底し、厳格に規制されたエアギャップ(隔離)ネットワーク内での安全な運用を実現することを最大の目的としています。
モデルの圧縮とアーキテクチャ
Altar-1 は、元々約 1.51 TB の BF16 精度モデルを、AWQ INT4 量子化とエキスパートプルーニングを組み合わせて 328 GB に圧縮したものです。圧縮後も 256 エキスパートのうち 168 を保持し、トークンごとに 8 つのエキスパートが同時に活性化される設計となっています。
Aikido の技術資料によると、単一ノード上に配置された 4 台の NVIDIA H200 GPU と vLLM エンジンにより、128 k トークンのコンテキストウィンドウをフルに活用でき、大規模なコード解析や脆弱性スキャンに最適化されていると述べられています。
学習データとプライバシー保護
同社は、モデルのキャリブレーション段階で顧客固有のデータを一切使用していないことを明言しています。学習に用いたデータは、ペンテストのトレース、コード例、ツール呼び出しパターン、推論ステップ、さらには多言語テキストといった公開リポジトリから取得された情報のみで構成されています。
ベンチマーク性能と評価結果
内部ベンチマークでは、32 件の既知脆弱性を含む 30 のリポジトリで Altar-1 を評価し、平均リコール率 60.4 % を記録しました。3 回の実行のうち少なくとも 1 回では 23 件の脆弱性を検出し、実務的な検出能力を示しています。
フルプレシジョンの親モデルはリコール率 65.6 % で 25 件を検出しますが、圧縮後の Altar-1 でも元のカバレッジの約 92 % を維持している点が注目されます。
- 圧縮サイズ:328 GB(元 1.51 TB)
- 量子化方式:AWQ INT4
- 保持エキスパート:256 のうち 168、トークンあたり 8 活性化
- ハードウェア:単一ノード上の 4 台 NVIDIA H200 GPU
- コンテキストウィンドウ:128 k トークン
このベンチマークはベンダー自らが実施したもので、評価対象は既知脆弱性のリコールに限定されています。そのため、未知の欠陥発見やエクスプロイトの検証、修復ガイダンス生成といった高度な機能は現段階では測定されていません。
日本市場へのインパクト
日本語圏の組織にとって、Altar-1 は外部クラウドサービスに機密資産を露出させることなく、完全に隔離されたオンプレミス環境で自律的なペンテストを実行できる実用的な手段となります。
モデルのフットプリントが小さいため、標準的なオンプレミスハードウェアへの導入が容易であり、既知の問題の大部分を検出できるカバレッジを保持しつつ、セキュリティチームに高速で自己完結型のテスト能力を提供します。
さらに、エアギャップ環境での運用が前提となる政府系機関や金融機関においても、データ漏洩リスクを最小化しながら高度な脆弱性診断を実施できる点が大きな魅力です。
総合的に見て、Altar-1 は圧縮技術とハードウェア最適化の両面で先進的なアプローチを示しており、エアギャップ環境向け AI セキュリティモデルとしての位置付けを確固たるものにしています。
出典
- Aikido Security Releases Altar-1: An Open-Weight Security Model Pruned From GLM-5.3 to 328 GBMarkTechPost · 2026年9月25日
- Aikido Security Unveils Altar-1 Open-Weight AI for Cybersecurity DefenseCyber Security News · 2026年9月22日



